【2】単体規定

【“今さら聞けない”基本編】採光(法28条)

一般構造の採光
  • 居室の採光に関する規定は、法28条1項法35条法35条の3の3つの規定がある。(本解説は法第28条第1項の採光の解説)
  • 建築物の用途と居室の種類によって求められる。
  • 無窓居室は、原則、認められません。
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採光に関する規定

居室の採光に関する規定は、建築基準法では法28条1項法35条法35条の3の3つがあります。

  • 法28条1項 ▶︎ 一般構造
  • 法35条 ▶︎ 防火・避難規定
  • 法35条の3 ▶︎ 防火・避難規定

どの規定においても採光上有効な開口部の面積(=有効採光面積)を求め、この計算で求めた有効採光面積が居室の面積に各規定で定められた割合をかけた数値(=必要採光面積)以上であることを確認します。

必要採光面積(㎡)≦ 有効採光面積(㎡)

(必要採光面積(㎡) = 居室の面積(㎡) × 各規定で定めらた割合)

法28条1項、法35条、法35条の3ともに、必要採光面積、有効採光面積の求め方は同じです。(法28条1項については、必要採光面積の割合が異なるなど少し異なるところがあります。)

本解説では、法28条1項の必要採光面積について解説します。

※ 「有効採光面積の求め方」、「居室とは」については、下記で解説しています。

▶︎ 有効採光面積の求め方

▶︎ 居室とは

必要採光面積の求め方

必要採光面積は、居室面積に居室の種類に応じた1/5〜1/10までの割合を乗じて求めた値です。(法28条1項)

この1/5〜1/10までの割合は建築物の用途、居室の種類によって異なります。(令19条1項)

必要採光面積(㎡) = 居室の種類に応じた割合(令19条3項表) × 居室面積(㎡)

令19条1項表にある種類の居室以外の居室については、法28条1項に基づく採光の制限を受けません。

ただし、上記でも解説していますが、居室の採光に関する規定は法35条、法35条の3にもあり、こちらの規定は、用途・種類によらず全ての居室について確認する必要があります。

建築物の用途と居室の種類

居室の床面積に対して採光上有効な開口部に必要な割合が、建築物の用途・居室の種類ごとに規定されています。(令19条3項表)

令19条3項の表を少しわかりやすく表にまとめました。

建築物の用途居室の種類割合
1-1幼稚園教室1/5
1-2小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校教室1/5
1-3幼保連携型認定こども園教室1/5
2保育所、幼保連携認定こども園保育室1/5
3住宅すべて1/7
4病院、診療所病室1/7
5寄宿舎(下宿)寝室(宿泊室)1/7
6-1児童福祉施設等(※)寝室(入所者使用)1/7
6-2児童福祉施設等(※)入所者・通所者の保育、訓練、日常生活に必要な便宜の供与その他これらに類する目的のために使用される居室1/7
71-1、1-2、1-3以外の学校教室1/10

(※)児童福祉施設等については、令19条1項で規定されています。

▶︎ 児童福祉施設等とは

「緩和規定」はあるか

2つの緩和規定があります。

「地下室等」は開口部不要

令19条3項表で定める居室であっても、地階の居室などの場合は、採光上有効な開口部を設ける必要がありません。(法28条1項ただし書)

具体的に以下の居室です。

  • 地階地下の工作物内に設ける居室その他これらに類する居室
  • 温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室

学校の教室など・住宅の居室の必要採光面積の緩和

学校の教室や住宅の居室は、一定の基準を満たす照明器具や換気設備を設けるなど代替措置をすることで、必要採光面積を求める際の「居室の床面積に対して採光上有効な開口部に必要な割合」を緩和することができます。

令20条に基づきS55建告1800号に規定されてます。

用途居室の種類代替措置緩和後の割合
幼稚園小学校中学校義務教育学校高等学校中等教育学校教室床面からの高さが50cmの水平面において200lx以上の照度を確保
かつ
窓その他の開口部で採光に有効な部分のうち床面からの高さが50cm以上の部分の面積が居室の床面積の1/7以上
1/7
幼保連携型認定こども園教室保育室床面からの高さが50cmの水平面において200lx以上の照度を確保
かつ
窓その他の開口部で採光に有効な部分のうち床面からの高さが50cm以上の部分の面積が居室の床面積の1/7以上
1/7
保育所保育室床面からの高さが50cmの水平面において200lx以上の照度を確保
かつ
窓その他の開口部で採光に有効な部分のうち床面からの高さが50cm以上の部分の面積が居室の床面積の1/7以上
1/7
小学校中学校義務教育学校高等学校中等教育学校音楽室視聴覚室床面からの高さが50cmの水平面において200lx以上の照度を確保1/10
住宅居室床面において50lx以上の照度を確保1/10

無窓居室は原則NG

住宅の居室など令19条3項表の居室については、法28条1項ただし書の地階の居室などを除き、必要採光面積以上の有効採光面積を確保しなければなりません。

同じ採光に関する規定の法35条や法35条の3では、有効採光面積が必要採光面積を下回っていても居室を不燃材料で区画するなど、付加される基準に適合するよう措置をすることでクリアできる方法があります。

他の採光規定との違い(まとめ)

法28条1項、法35条、法35条の3を比較したものを表でまとめました。表でまとめるとわかりやすです。

法28条1項法35条法35条の3
何の規定?一般構造避難規定防火規定
対象の居室は?学校の教室、住宅の居室など
(限定されている)
全ての居室全ての居室
無窓居室の代替措置なし
(無窓居室はNG)
あり
(令5章2節、6節の適用など)
あり
(不燃区画など)

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