【2】単体規定

【”今さら聞けない”基本編】採光関係比率(令20条)

採光関係比率、有効採光面積、採光補正係数、居室、採光、一般構造
マツリ

本解説では、有効採光面積(採光補正係数)を計算する上で必要となる採光関係比率についての①基本的な考え方②基本的な事例を知ることができます。

有効採光面積、採光補正係数、採光関係比率、D/H
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採光関係比率の基本

採光関係比率は有効採光面積を計算する上で必要となる数値で以下の式で表されます。令20条2項本文に規定されています。

採光関係比率 = D(m) / H(m) 最も小さい数値

  • D開口部の直上にある建築物の各部分 から 開口部に面する隣地境界線等の対向部 までの水平距離(m)
  • H開口部の直上にある建築物の各部分 から 開口部の中心 までの垂直距離(m)
  • 隣地境界線等:①隣地境界線、②同一敷地内の他の建築物、③当該建築物の他の部分

採光関係比率は、直上の建築物各部分について計算し、そのうち最も小さい数値です。令20条1項をよく読むとそのように規定されていることが確認できます。

ちょっと難しいですが、図で表すと以下のようになります。

採光関係比率の事例

建築物とその建築物の敷地の形状は様々ですが、原則、「採光関係比率の基本」を踏まえて応用していきます。

【1】建築物の部分がデコボコしている場合

開口部の直上にある建築物の部分に凹凸がある場合は、すべての部分(規定上は「各部分」)のD/Hの「最小値」が採光関係比率となります。

【2】垂直距離(H)が均一でない場合

開口部を正面から見た場合に開口部の直上にある建築物の部分までの垂直距離が均一でない場合は、平均の距離を垂直距離(H)として計算します。平均することは、結果として異なる部分ごと(各部分)にの垂直距離で採光関係比率(有効採光面積)を計算することを同じ値になります。

【3】水平距離(D)が均一でない場合

開口部から隣地境界線等までの水平距離が均一でない場合は、平均の距離を水平距離(D)とします。

下図②のような場合、ひとつの開口部を水平距離が均一となる範囲ごとに場合分けして採光関係比率(有効採光面積)を計算することは、異なる部分ごと(各部分)にの水平距離で採光関係比率(有効採光面積)を計算することを同じ値になります。

その他の取扱い

上記のほかにも様々なケースが考えられます。ケースによっては各特定行政庁で取扱いをHPでHPで公開していることありますので参考にすることができます。

よくある例
  • 開放廊下、バルコニーに面している場合
  • 天窓取扱い
  • 出窓の取扱い

まとめ

採光関係比率については、令20条2項本文に規定されている。

② 採光関係比率は各部分について計算した最小値

③ 様々なケースが想定されるが、規定(基本的な考え方)を正しく理解した上で応用していくことが大切。

④ 参考書や特定行政庁で取扱い(事例)を公表しているので参考にすることができる。