②構造計算基準

【構造計算の基本がわかる】「1次設計」と「2次設計」

1次設計と2次設計

1次設計と2次設計の目的の違い

1次設計と2次設計は、それぞれ構造計算の目的が異なります。

1次設計は、常時(存在中数回程度)に遭遇する荷重・外力に対して損傷しないことを目的としています。常時の荷重・外力は、長期荷重といわれる荷重・外力です。稀に遭遇する荷重・外力は、短期荷重といわれる荷重・外力のうち暴風・積雪・中地震(C0=0.2相当)の荷重・外力です。

2次設計は、極稀に遭遇する荷重・外力に対して倒壊・崩壊等しないことを目的としています。極稀に遭遇する荷重・外力は、短期荷重のうち大地震時の荷重・外力です。

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1次設計

1次設計の計算基準は、次の計算基準で構成され、構造計算方法(ルート1〜3)によらず同様の構造計算基準が適用されます。

表1 1次設計の計算項目
計算項目条項
1許容応力度計算令第82条第1〜3号
2使用上の支障が起こらないことの確認令第82条第4号
3屋根ふき材等の構造計算令第82条の4

※高度な構造計算方法である時刻暦応答解析・限界耐力計算については若干異なります。(ここでは割愛します。)

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2次設計

2次設計の計算基準は、建築物の規模等により適用する構造計算方法(ルート)により異なります。目的は「大地震に対して倒壊・崩壊等しないこと」で同様ですが、小規模な建築物については比較的簡易な計算基準を適用することができますが、大規模な建築物については高度な構造計算基準が適用されます。

例えば、保有水平耐力計算(ルート3)の2次設計部分の構造計算基準はがについては、次の2つの計算基準です。

表2 2次設計の計算項目(ルート3)
計算内容条項
1層間変形角の確認令第82条の2
2保有水平耐力 必要保有水平耐力の確認令第82条の3

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