【6】構造設計の基本

【構造設計の基本がわかる】引張鉄筋比(pt)

引張鉄筋比とは

  • 引張鉄筋比は、RC造の構造部材のが曲げモーメントを受けた時の部材断面の圧縮に対して有効なコンクリートの断面積に対する引張応力に有効な鉄筋の比
  • pt(ピーティー)の記号で表され、はりの引張鉄筋比は次の式で求めることができる。

pt=at /(b×d)

  • pt:引張鉄筋比(単位なし)
  • at :引張に有効な鉄筋の断面積の和(mm2
  • b:梁幅(mm)
  • d:梁の有効せい(mm)

はりの場合、次のように求めることができます。(下側が引張のケースです。)

梁の引張鉄筋比を計算してみる

梁の断面(小梁を想定)

  • 梁幅:350(mm)
  • 梁せい(梁の高さ):600(mm)
  • 下端筋(「したばきん」下側の鉄筋):5-D19(D19の断面積は 287(mm2/本)
  • かぶり厚さ:60(mm)

下側が引っ張りと仮定し下側鉄筋の引張鉄筋比を計算すると次のようになる。

引張鉄筋比に関する規定

  • 建築基準法では、必要保有水平耐力の計算において、Ds算定の部材種別を判定する際に柱・はりの引張鉄筋比の上限が規定されている。引張鉄筋が密に入っていると付着割裂破壊の危険が増すため(令第82条の3第1号▶︎S55建告第1792号第4)
  • 梁の曲げ耐力式M=at・ft・jが成り立つ前提として、釣合鉄筋比≧引張鉄筋比である必要がある。(RC規準13条4項)
  • 長期荷重時に正負最大曲げモーメントを受ける部分の引張鉄筋断面積は,0.4%以上または存在応力によって必要とされる量の4/3俺のうち,小さいほうの数値以上とする。(RC規準13条5項(1))