建築基準法を読んでいると必ず出てくる 「又は」「若しくは(もしくは)」。どちらも英語でいう「or」を意味しますが、 建築基準法を含む法律では使い方のルールがあります特に「又は」「若しくは」が組み合わさっている場合(カテゴリーが複数ある場合)、読み間違えてしまうと条文の意味が変わってしまうので注意が必要です。

この記事では、「又は」「若しくは」について実務者・建築士試験受験生が迷わない正しい読み方をわかりやすく解説します。

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単純な並列の場合

単純な並列の場合(カテゴリー(階層)がない場合)は、「又は」が使われます。

例えば、A、Bの2つの選択肢を並べる場合は、「A又はB」で、A、B、Cの3つの選択肢を並べる場合は、「A、B又はC」と表現されます。

選択肢が3つ以上ある場合は、選択肢を「、」で繋ぎ、最後は「又は」で繋ぎます。

ポイント

単純な並列の場合は、簡単なように思えますが、どこからどこまでを繋いでいるかを正しく把握することがとても大事で、これを間違うと単純な並列でも条文を読み間違えてしまいます。読解のポイントは下記の2点です。

  • 同種の語句が並ぶ : 原則として、又はでつながれる語句は 同じ種類・同じカテゴリー に属する語句である。
  • 修飾語は両方にかかる : 原則として、又はの前に置かれた修飾語は 並列される語句のすべてに共通してかかる。

例えば、下記の法2条十六号中に出てくる「又は」何を繋いでいるかわかりますか。

法2条十六号 建築主 建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

答えは、以下のA、Bの2つの選択肢を繋いでいます。(AまたB)

  • A=請負契約の注文者
  • B=請負契約によらないで自らその工事をする者

全体をA、Bで表すと条文を理解しやすくなります。

  • 建築物の工事に関するA又はBをいう。
接続詞「または」図解(建築基準法2条6号建築主とは)

よって、建築主とは次の①または②のいずれかの者ということになります。

  1. 建築物の工事の請負契約の注文者
  2. 建築物の工事の請負契約によらないで自らその工事をする者

カテゴリーが複数ある場合

カテゴリー(階層)が複数ある場合は、「又は」と「若しくは」が組み合わされて使われます。

カテゴリー(階層)が複数ある場合のルールを理解していないと条文を読み間違えてしまうので、まずはこのカテゴリー(階層)が複数ある場合のルールをしっかり押さえましょう。

ポイント(最初に覚えるべきこと)

法律では、「又は(または)=大きいor」「若しくは(もしくは)=小さいor」です。もう少し詳しく解説すると、次のようになります。

  • 一番上のカテゴリー(階層)のの選択肢を並べる→「又は」
  • その下のカテゴリー(階層)の選択肢を並べる→「若しくは」

この「カテゴリー(階層)」を意識すると、一気に条文を正しく読むことができるようなります。

たとえば、「a、b若しくはc又はB」を図で表すと下図のようになります。カテゴリーは「AまたはB」です。そして、Aの中に小さいカテゴリー「a、b若しくはc」がはいっている構造です。

接続詞「または」「若しくは(もしくは)」の図解1

例で理解する(最もわかりやすい形)

ここでは、具体的な例を参考にして理解を深めていきます。

「りんご、ぶどう若しくはみかん又は野菜を食べてください。」

文章構造を分解する

大きいカテゴリーは、果物(A)または野菜(B)です。そして果物(A)の中に小さいカテゴリーりんご(a)ぶどう(b)若しくはみかん(c)がはいっている構造です。図で表すと下図のように表すことができます。

接続詞「または」「若しくは(もしくは)」の図解2

何を食べればいいのは

りんご、ぶどう、みかん、野菜のどれかひとつを食べれば正解です。

解説
  • 大きいカテゴリーは 果物(A)または野菜(B)
  • 果物(A)を選ぶなら → りんご・ぶどう・みかんのどれか1つでOK
  • 野菜(B)を選ぶなら → 野菜1つでOK

つまり、 4つのうちどれか1つでよい。となります。

まとめ

「又は」と「若しくは」は、法律で“並列の階層”を示す重要な語です。

単純な並列では同種の語句を並べ、修飾語は並列される語句すべてに共通してかかります。これを誤ると条文の意味が変わるため注意が必要です。

階層が複数ある場合は、大きい選択肢を「又は」、その内部の小さい選択肢を「若しくは」で繋ぎます。カテゴリー構造を意識することで、複雑な条文でも正しく読み解けるようになります。

また、ここではそこまで解説しませんでしたが、建築基準法をはじめ法律の条文で「or」を意味する「又は」「若しくは」と「and」を意味する「かつ」「及び」が混在するケースも少なくありません。一見すると難解ですが、これらにも明確な優先順位と読み方のルールが存在します。

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